BRAKE HOW to

atari

ブレーキキャリパーの開きについて

 

ブレーキのトラブルの中でも多く耳にするのが「キャリパーが開いた」という事ではないでしょうか?
言葉のとおり、本来ローターと並行になっていないといけないキャリパーが、経年劣化などによってハの字に開いてしまう事を言います。

 

キャリパーが開いてしまうと、パッドがローターの外周部分にしか当たらなくなるので良い事ではありません。
直径方向の寸法が50mmあるパッド(D50パッド)で、もしローターの外周方向20mmしか当たらないとすると、D20のパッドを使っているのと同じ事ですから、制動力も下がりますし、何よりもフェードしやすくなってしまいます。

 

キャリパーの開きによる弊害は下記のような事が考えられ危険です。
・ブレーキの効きが落ちてしまう。
・ブレーキがフェードしやすくなってしまう。
・パッドの温度が上下しやすくなりジャダーなどが出てしまう。

 

キャリパーの開きの判断としては、写真のようにローターの外周と内周方向で当たり方が違う場合はほぼ開いています。
また、パッドの外周方向と内周方向の残量を測定し、0.5mm以上残量が違っていてもNGに思います。

 

また、極端に剛性の低いキャリパーは、ブレーキをかけた瞬間に開き緩めると元に戻るので、踏みはじめに空走感が強く、ペダルから足を離してもブレーキを引きずります。
この様なキャリパーで正確なブレーキコントロールは不可能なので、交換をご検討なさった方が良いと思います。

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ブレーキの前後バランスの重要性について

ブレーキの前後バランスは極めて重要で、著しくバランスを崩すと極めて早くブレーキがロックしてしまうようになります。
ブレーキをよく効くようにしようと前だけ大型ブレーキに交換するケースがありますが、バランスを考えないと、すぐにロックしせっかくブレーキを大型化したのに、むしろ制動距離は伸びてしまうと言う事も大いにあります。

 

最近、ネットや雑誌を見ていると、 前後バランスが取れていない状態で走っているにも関わらず、大きな問題になっていないように書かれている事がありますが、これらのケースは、ABSがロックを検知し油圧を下げているから、なんとか成り立っているのですが、もしABS未装着の車両でしたら、間違いなく早期ロックをして頭を悩ます事になると思います。

 

では、ABS装着車両ならその状態でも問題ないのではないか?とお考えかもしれませんが、ABSは油圧を下げてロック状態を解消しますから、例えて言うとロック状態にある車輪はブレーキを軽く踏んでいるのと同じ状態なので、ブレーキの性能を引き出せていないのです。

 

フルブレーキをしながらABSが介入すると、加速とまでは言いませんが空走するような感じがあるのは、ブレーキの効きが落ちているからなのです。

 

また、ブレーキの油圧を下げるという事は、クラッチで言うと半クラッチで走り続けるようなものなので、ブレーキ温度がどんどん上昇してしまいフェード、ペーパーロック、ローターやパッドの異常摩耗につながります。

 

これらの事から、ブレーキの前後バランスをキャリパーやローターの選択段階で適正化しておく事が極めて重要で、安易なブレーキチューンは逆効果となるばかりか、時には危険でさえあるのです。

 

前後バランスに関して他社製品でも私たちで分かる事であれば、出来る限りお答えいたしますので、お悩みの方はご相談ください。

 

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ブレーキの効き方で制動距離が変わる。

 

ブレーキキャリパーを交換すると「効き」が変わる事は想像されると思いますが、「効き方」も変わると言う事を想像される方は少ないように思います。
しかし、ブレーキが効くのはある意味当たり前で、それが社外品やレース向けのものであれば、純正よりも効きが良くなって当然です。

 

それ以上に重要なのが「効き方」だと私たちは考えています。

 

扱いやすさと言いかえると分かりやすいと思います。

 

例えば、ポルシェやGTRのブレーキを軽自動車に装着したとしたら、ブレーキをかけた途端にロックしてしまうのが想像していただけると思います。
この例えは極端ですが、ブレーキを強力にすると言う事は大なり小なり、上記のような事をすると言えますので効き方が重要になってきます。

 

上記の状況でロックすると感じるのは、制動力が急激に立ち上がると瞬間的に想像するからではないでしょうか?
もし、ゆっくりと制動力が立ち上がるなら、急激に制動力が立ち上がった際にロックした制動力を超えても、タイヤはグリップを保ち続けます。

 

柔らかい紙に消しゴムをかける時、ゆっくり丁寧にかけると思いますが、ブレーキもそれと同じようなイメージです。

 

ブレーキの効き方がリニアでコントロールしやすければ、ブレーキは制動力が高くてもロックせずに最適な制動力を発揮し続ける事が出来ますが、急激に制動力が立ち上がるとドライバーはロックを回避する事が出来ずに制動距離は延びてしまうのです。

 

つまり扱いやすくなければせっかくの制動力は使えないばかりか、制動距離は延びてしまうのです。

 

純正ブレーキや、最近の社外チューニング用ブレーキは下記の様な効き方をすると思います。
1.軽く踏むとほとんど効かない。
2.少し強く踏むとカクッと強く効く。
3.さらに強く無むとロックしABSが介入。

 

対して、APレーシングのキャリパーの効き方は、真綿を締めるように効くという比喩がそのままあてはまるような、リニアな効き方で下記のように効きます。
1.軽く踏むと軽く効く。
2.少し強く踏むと踏んだ分だけ強く効く。
3.ロックの限界が分かりやすく、ペダルをリリースするとすぐに制動力が戻る。

 

どちらが良いか?と問われたら、普通はAPレーシングが良いとお答えされると思いますが、それはこの様なHPをご覧くださる車好きの発想で、一般的なドライバーは、少し強く踏んだだけで強く効くブレーキが、よく効くブレーキと判断する傾向にあるので、一般的なブレーキ、社外のブレーキの多くはカックンブレーキとなっています。

 

一般的では無いが、スポーツ走行に適したブレーキを、APレーシングが頑なに作り続けているのです